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潰瘍性大腸炎2

陳達理 南方医科大学南方医院 中医科
1.急性期:毎日膿血便が多数回あり,重ければ10数回に及ぶ。
此の時の治療は止瀉、止痛を主とする。治療の有効性は、治療が正しく包括的であるかどうかによって決まる。

急性期基本方:白頭翁、秦皮15,葛根20,槐花、側柏叶、烏梅、五味子、柴胡、枳殻、元胡10。

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潰瘍性大腸炎1

安倍さんの潰瘍性大腸炎はどのタイプなのかな?
中医内治法
1 大腸湿熱証
治法:清熱化湿,調気和血。
処方:芍薬湯(金代劉完素《素問病機気宜保命集》(黄連5、黄芩10、木香6,炒当帰10、炒白芍15、肉桂・甘草3)
加減:大便膿血較多,加槐花、地楡、白頭翁;大便白凍黏液較多,加蒼朮、薏苡仁、石菖蒲;腹痛較甚,加延胡索、徐長卿。

中成薬:
虎地腸溶膠嚢《国家食品薬品監督管理局国家薬品標凖 新薬転正標凖 第72冊》(朱砂七、虎杖、白花蛇舌草、北敗醤、二色補血草、地楡(炭)、白及、甘草)
香連丸《中国薬典》2015年版一部、《医保目録(2017年版)》(黄連(呉茱萸制)、木香)

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慢性萎縮性胃炎2

前回報告した慢性萎縮性胃炎への追補です。
姚奇蔚(1916—2003)は江西南昌の人で,世襲の中医でした。
著作には《脾胃疾病常用治法和方薬》、《用薬十八法》、《中医治療学概要》等があります。
学術論文には《舒肺達肝法》や《慢性萎縮性胃炎は肝、肺と密切な関系がある》等の20余篇があります。
先生は特に肝・肺両臓の生克制化の理を重視しました。
“人の生は,気による;ゆえに治病の方法は,気を主としなければならない”との思想から,治病時には尤も肝肺の気機の宣降条達を重視しました。

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中暑陰証の症例

李某,男,38歳。1978年8月19日初診。
素体の禀賦不足がある。昨日の午前に田畑を耕していたが,天気の炎熱のため,汗が流れるように出て,口が渇いたので,渓川へ下りて水を飲んだ。まことに甘凉で口渇も解けたが,突然に脘腹が痛み出し,畑で突然暈倒し,昏睡,牙関緊急となった。家族が急ぎ人中をつねると,すぐに気がついた。急ぎ村へ戻ると,医師は藿香正気水を与えたが,未だ愈えていない。
翌日来院したので余が医治に当たった。今もまだ腹痛があり,腹瀉,悪心嘔吐,神疲乏力,発熱悪寒,四肢逆冷,気喘不語,舌淡,苔薄白,脈弱である。

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暑証の弁治法

たとえば次のような弁治法もあり、実用的である。

1.中暑陽証
主証:発熱,汗出,煩躁,口渇,多飲,小便黄赤,舌紅少津,脈洪大。
治則:清熱生津。
方薬:白虎湯合六一散加減(石膏30 知母15 粳米10 滑石16 甘草6)

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暑証類

熱中症というのは“中暑”に該当する。救急には安宮牛黄丸や行軍散が必要になる場合もあろうが、引き続いての治療には何が必要か?
それには病証分類をして、それぞれに相応しい処方を選ばなければならない。
ちなみに「中医病証分類及編碼」から暑証類をピックアップすると次のようである。

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傷暑、中暑、陰暑、陽暑の別

“傷暑”は暑病の軽症である。
人体が暑熱の邪を感受すると,腠理は開泄し,津気は耗傷し,身熱多汗・心煩口渇・倦怠乏力・小便短黄 等の症状を現わす。

“中暑”は又“中暍”とも称す。
夏季の炎熱気温の中で,傷暑が重くなると身体は陰陽格拒となり,気機は閉塞し,遂には気津暴脱となる。(内閉外脱
身熱のため煩躁し,悪心嘔吐,腹痛,遂には突然暈倒し,昏迷して醒めず,牙関は緊閉し,四肢は抽搐し,或いは大汗止まず,面色は蒼白となり,四肢厥冷となる。暑瘴の重証である。

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暑邪について

1.暑は陽邪で,其の性は炎熱である。
暑は夏季火熱の気の化す所,火熱は陽に属す,故に暑も亦陽邪なり。
これが原因で病む時は,身熱・心煩・口渇・汗多・脈洪数 等の症となる。

2.暑の性は升散にして,耗気傷津を為す。
故に暑病は常に身倦乏力・気短口渇・咽干唇燥・尿少・舌紅 等の気虚兼傷津化燥の症状となる。
《素問・挙痛論》:“炅なれば腠理は開き,栄衛は通じ,汗大いに泄る,故に気泄となる。”

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経行頭痛

次のようなメール相談を受けた。
「生理が来たその日の朝から頭痛がする。生理が近づくと手足の先の冷え、肩こりもひどく顔のシミや肝斑も普段より濃くなります。それに目の乾きや生理中の顔の浮腫も気になります。」

これは経行頭痛に該当する。
頭は諸陽が会するところで、清陽の府であり、五臓六腑の気血は皆上ってきて頭を栄養しています。
月経時には気血が冲任脈に下注するため、上部の頭が失養し経絡が阻塞されて経行頭痛となります。
経前に痛むのは肝陽による実痛ですが、経后に空痛・隠痛するのは血虚による虚痛です。
経后の頭痛ですから治法は気血の調補になります。
肩こりや冷え、シミや肝斑も目の乾きも皆 ひとつながりの症状です。

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発作性頻脈

次のようなメール相談を受けた。
「頻脈は、夜中に突然おきたり、1時間ほど仮眠してて目覚めた時、暑いところにずっといたり、逆に寒いところに急に行ったりすると、症状が出ます。例えば、真夏に半日外いたりすると突然なったり、冷房の寒い部屋から熱い湯船につかったり、など。汗をかきにくい。だるい 気がふさぐ 怒りっぽい おりもの」
似たような例を探したところ、次のような例がありました。

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李杲の《脾胃論》から(7)

天地陰陽生殺之理在升降浮沈之間論:
春気は温和,夏気は暑熱,秋気は清凉,冬気は冷洌,此れ則ち正気の序也。
故に曰く:終わりは始まりであり,順序は守られる。升已めば降り,降已めば升り,環の如く端なし,万物の運化は,実に一気也。
設し或いは陰陽が錯綜すれば,勝復の変も,此れによりて起ろう。
万物の中,人も一也,呼吸の升降,効は天地に象り,陰陽に凖縄す。

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李杲の《脾胃論》から(6)

胃虚臓腑経絡皆無所受気而倶病論:
脾胃が虚せば,則ち湿土の気は臍下に溜まり,腎と膀胱が邪を受ける。
膀胱は寒を主り,腎は陰火である,二者が倶に弱まれば,潤沢の気は行らない。
大腸は,庚也,燥気也,津を主る;小腸は,丙也,熱気也,液を主る。
此れ皆 胃に属し,胃が虚せば気が受けられずに亦虚となり,津液は濡せず,夜は口燥咽乾のため目が覚め,皮毛不沢で皮膚が乾燥する。

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李杲の《脾胃論》から(5)

卷下
脾胃虚則九竅不通論:
真気の又の名は元気,乃ち身体の精気也,胃気に非ざれば之を滋すこと能わず。
胃気とは,穀気也,栄気也,運気也,生気也,清気也,衛気也,陽気也。
又天気、人気、地気とは,乃ち三焦の気なり。分けて言うのものではなく,実際は一つのもので,別名異論とするのは間違いである。

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李杲の《脾胃論》から(4)

脾胃勝衰論:
胃病なら其の脈は緩であり,脾病なら其の脈は遅である,且つ其の人は当に臍に動気が有り,之を按ずれば牢(堅)にして痛むが若し,若し火乗土位であれば,其の脈は洪緩となり ,更に身熱して心中不便の証が有る。此れは陽気が衰弱して,生発不能であり,五臓中用薬法では治せず,《臓気法時論》中の升降浮沈補瀉法を用いなければならない。

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李杲の《脾胃論》から(3)

脾胃勝衰論:
大抵は脾胃虚弱なら,陽気は生長する能わず,是れでは春夏の令が行われず,五臓の気は生じない。脾病は則ち下へ流れて腎に乗ずる,土克水であるから,則ち骨乏無力となる,是れは骨蝕である,人の骨髄が空虚になれば,足は地を履けず,是れ陰気重畳なり,此れ陰盛陽虚の証なり。大法に云う,之を汗すれば則ち愈ゆ,之を下せば則ち死すと。若し辛甘の薬を用いて滋胃すれば,当に升り当に浮き,生長の気をして旺ならしむ。其の汗と言うのは,正に発汗には非ざる也,助陽のこと也。

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李杲の《脾胃論》から(2)

脾胃勝衰論:
飲食が不節制であると則ち胃病となる,胃病になれば則ち気短(息切れ)し、精神(元気)が無くなり、大熱を生じ,時には顕火となり上行し,其の面を独燎する,《黄帝 針経》に云う:面熱きは,足の陽明病なり。胃が既に病めば,則ち脾は禀受するもの無く,脾は死陰(脾陰がゼロ)となり,時を待たず,脾も亦病むことになる。

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李杲の《脾胃論》から(1)

脾胃勝衰論:
胃中の元気が盛んなら,則ち能く食しても傷れず,時が過ぎても饑えず。
脾胃が倶に旺んなら,則ち能く食して肥えるが;脾胃が倶に虚なら,則ち食す能わずして痩せる。
或いは少食なのに肥えるが,肥えると雖も四肢は挙らない,盖し脾実にして邪気盛ん也。
又善く食しても痩せている者が有るが,胃の気分に火邪が伏すので,則ち能く食し,脾虚なれば則ち肌肉は削痩する,即ち食亦という也。叔和云く:多食するも亦肌虚するは,此れを謂う也。

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難解な素問の条文

《素問・生気通天論》にある次の条文につき、解読し得たことを述べてみます。

「蒼天之気清浄、則志意治、順之則陽気固、雖有賊邪、弗能害也、此因時之序。故聖人伝精神、服天気、而通神気。失之内閉九竅、外壅肌肉、衛気散解。此謂自傷、気之削也。」

「蒼天の気が清浄(風雨が調順)なれば、則ち志意(人体の気)は治まる(暴喜暴怒にはならない)、順なれば則ち陽気は固まり、賊邪(外邪)有りと雖も、害することは出来ない、此れは因時の序(四季のリズム)が守られているからである。」

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