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紫石英

今月の『中医臨床』v41-4 のインタビュー記事は、不妊に三焦調整法を考案した漢方誠心堂の西野裕一代表でした。まことにバイタリティに富んだ痛快な内容で勉強になります。
曰く「中医学は,養生から難しい疾病まで幅広い分野にまたがって方法論をもっており,患者のどんな悩みにも応えられるポテンシャルがあります。中医学は理論体系がしっかりしていて,再現性に富んでいるため,だれがやっても同じ効果を出すことができます。また,名人でなくても患者の悩みに対応することができます。素晴らしい医学だと思います。」

又その中で紫石英(紫水晶 アメジスト)のことを言及しています。上海の先生方は着床障害によく使っているそうですが、わが国では馴染みの少ない石薬です。
『叢法滋・中医症例集』では、腎虚血瘀の不妊症に(肉桂・仙茅4 仙霊脾・紫石英10 紅花・川芎・桃仁・呉茱萸3 鹿角霜・当帰・干姜6 補骨脂・菟絲子5)なる処方が出ています。(「漢方診断-処方4」に収載してあります)

《本経逢原》紫石英 甘温,無毒。(用量は20g前後)
紫石英は手足の少陰、厥陰の血分に入り,上では能く鎮心して定驚悸,安魂魄,摂逆気を為すが,きが以って怯を去る也。下では能く益肝して下焦を填補して,散陰火,止消渇を為すが,が以って血を暖める也。女子の経が阻まれ色淡にして不孕の者に宜し。
《神農本草経》女子が風寒が子宮に在りて,絶孕すること十年の者が,之を服せば能く孕む,特に峻補するには非ず,兼ねて濁陰留結を散ずる験也。若し血熱で紫黒の者は禁用なのは,其の性が温だからである。

張錫純の温冲湯(生山薬24 当帰身12 制附子・肉桂6 補骨脂9 小茴香・核桃仁6 紫石英(煅研)24 鹿角膠6)は婦人の血海が虚寒で不孕なるを治す。朱良春も亦其の暖宮の効を賞賛している。
筆者(孟景春)は宮冷不孕には,常に紫石英に当帰、熟地、附子、肉桂、鹿角膠、艾絨、香附を配している;若し子宮の発育不良なら,紫河車を加える。
此の暖宮補気血の剤を服するには,必ず脾胃功能が正常でなければならない,若し脾胃功能が弱ければ,先ず脾胃を調え,脾胃功能が正常になった后に,服用しなければならない。脾胃功能が正常な者でも,温補剤中に少し健脾和胃の品を加えることが必須である,そうすれば久服しても弊害が無い。
紫石英は重鎮温熱の薬であり,能く命火を補い辛温の薬性は胞宮に集まる,故に少くとも10剤,多ければ30-40剤を服用しなければならない,畏寒の諸症が消失すれば,月経は間隔を置いて行り,色紅く、量も正常となる。
紫石英は単独で久服すると傷陰、耗気し易い,ゆえに温補気血の品と同用することが必須である。
孟景春:紫石英为宫寒不孕的要药 より

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