治験

升陥湯―眩暈

張某,女,34歳。1991年9月3日
メニエール病といわれ,眩暈のため立っていられない。
これまでに服用した薬物の多くは平肝潜陽,化痰息風のものだった。
病者は双眉を緊蹙して,床上に臥しており,面色は黯淡無華,脈は沈にして骨に至る。寸関尺皆然り,稍や遅像あり。舌苔は白滑。

病機:此れは肝気不升の症である。肝気不升のため,大気は下陥し,気血が潜沈したままである。
頭は諸陽の会なのに,気血が下に潜行したままでは,頭部の高巓は栄養できない。
診断:眩暈(肝気不升、気血下沈、脳髄失養)

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升陥湯―か細い声

張錫純の升陥湯《医学衷中参西録》は胸中の大気下陥、気短不足(息切れ)を治す。
升陥湯原方(生黄芪12 知母6 柴胡・桔梗3 升麻2)
気分の虚がひどければ,酌加人参3 ; or 再加山萸肉3。

升陥湯は黄芪が主であるが,黄芪は善く補気・升気するが,やや熱性である。故に知母の凉潤で之を済タスける。
柴胡は少陽の薬で,能く大気の陥ちた者を左から引き上げる。
升麻は陽明の薬で,能く大気の陥ちた者を右から引き上げる。
桔梗は薬中の舟楫で,能く諸薬の力を載せて胸中へ上達する。故に向導の役である。

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湿疹-丹参銀翹飲

掻痒の程度が,昼軽く夜重いのは陰血不足,血燥生風の証である。
治則:養血活血 清熱解毒
丹参銀翹飲(丹参15 当帰・生地・白芍・川芎・銀花・連翹10 薄荷3)

本方は陰虚血燥によって生じた風を,養血潤燥して祛風するものである。故に方中の祛風剤は薄荷一味のみである。若し気分の風薬を過用すれば,必ずや血中の燥熱は更に甚しくなり、それがまた風を生ずる。風を治すには先ず血を治すべし,血が行れば風は自ずから滅する。
朱进忠先生的经验方-------丹参银翘饮 より

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COVID-19 急性呼吸窘迫2

清肺排毒湯を使ったけれど、重症型へと急転した例」を振り返ってみよう。
2020年1月19日から咳嗽あり,発熱は無し,これを発症初日とする。翌日には咳嗽が重くなり発熱、倦怠乏力を伴った。この時点で治療を受けておれば、病邪はまだ半表半裏の位置にあり、軽症として発散・疏透で祛邪できていただろう。
しかし1月30日の入院時には清肺排毒湯を投与されたが既に透邪の時期は過ぎており、翌31日には危重期に陥り、陽明裏証の治療(通腑利湿)をしなければならなかった。
2月1日には内閉外脱証にまで進み、附子30 大黄15g を含む処方が必要になった。幸い翌2日には便通があり,小便量も増えて裏が通り、病邪が裏から抜け始め、回復の機運が出てきた。
治療は常に「病邪が今どこにあるか、どこから出すか」を確認しながら行わなければならない。
病邪を表から汗にして出すか、裏から大小便にして出すか、出るまでは治らない。
サイトカインストームによる重症化を喰い止めるには、石膏・麻黄・大黄・附子などの大剤を用いて、分離した陰陽を大気一転の法にて通じさせなければならなかった。
張伯礼院⼠が「中薬には免疫機能を調節する強い効果がある。」というのも頷けます。

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COVID-19 急性呼吸窘迫

1 案例
代某,男,56歳,2020年1月29日に張家口市の伝染病医院に入院。患者は1月10日にタイに行き、16日に北京に戻り、20日に玄華に戻った。

主訴:発熱、咳嗽があり15日経過。
現病史:患者は2020年1月19日から咳嗽あり,発熱は無し,1月20日に咳嗽が重くなり発熱、倦怠乏力を伴ったが,未だ受診はしていない。
1月28日8時30分頃 河北北方学校二附院で受診,疑似病例とされた。
1月29日にPCR検査 陽性,張家口市伝染病医院に転入。
1月30日 体温38℃,呼吸38次/min、心率100次/min、血圧143/79 mmHg,血中酸素圧76%。
発熱,咳嗽気急,少痰質黏,煩躁,舌質暗紅,苔黄厚膩,脈細数。
中医診断:瘟疫(湿濁鬱肺)
治法:祛湿化濁、清肺透邪
清肺排毒湯(麻黄9 炙甘草6 杏仁9 生石膏15 桂枝・沢瀉・猪苓・白朮9 茯苓15 柴胡16 黄芩6 姜半夏・生姜・紫菀・款冬花・射干9 細辛6 山薬12 枳実 陳皮6 藿香9)

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COVID-19中医方案より13

●后期(恢復期)
余邪が留恋しており,邪は去ったが正虚となっている;肺脾は気虚で,脾胃はまだ呆滞なままの恢復期である。

1.余邪留恋証
辨証要点:身熱は已に退き,微熱,煩躁,食欲不振,胸悶,大便黏滞して不爽,舌質暗,苔多くは膩,脈濡細数無力。
病機:邪気は已に退いたが,正気は未だ回復していない。余邪が未だ解けず,気陰両傷,脾胃呆滞,中気は未だ醒めず。
治法:軽清芳化,清解余邪;醒脾和胃,益気養陰。
処方:五葉芦根湯(藿香葉、薄荷葉、鮮荷葉、冬瓜子、佩蘭葉、枇杷葉、芦根、西洋参、茯苓、白朮、扁豆、生麦芽等)
方解:五葉芦根湯 薛生白《湿熱病篇》,薬物は芳香化湿,醒脾和胃と,同時に軽清宣肺,益気養陰であり湿邪の碍げにならない。肺脾功能の恢復に有利である。

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COVID-19中医方案より12

●極期(危重期)
確診病例で失治すると,湿濁毒邪から,一歩進んで化燥傷陰により,心包内閉となる;真陰耗竭と,失血過多のため,気は依附するところが無くなり,真気は外脱し,一連の“内閉外脱”の凶険証候を呈現する。病情が悪化すると“急性呼吸窘迫綜合群、感染性ショック、弥漫性血管内凝血”等の多臓器不全,酸素低下,肺部CT検査では大量の滲出性の重症という危機的段階が出現する。此の時には“病と証を結合し、中西医并重”と,酸素呼吸器サポートを採用し、ICUで救治しなければならない。

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COVID-19中医方案より11

6.化燥入血,邪閉心包,灼傷脈絡証
辨証要点:発熱,神昏譫語,煩躁不安,胸痛、喘促、咳血、便血,舌質紅絳,脈細数。
病機:湿濁が化燥化火し,深く血分に入り,心包を濁閉し,神志不清となる;肺絡を灼傷し,血逆して脈外へ;或いは腸絡を灼傷し,迫血して下行する。確診病例の危急重症に多く,証候は復雑で,常に合并して出る。
治法:凉血解毒,活血止血,開竅醒神。
処方:犀角地黄湯,解毒活血湯

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COVID-19中医方案より10

5.湿濁蘊毒,蒙蔽心包証
辨証要点:或いは発熱し,身熱は揚らず,神識昏蒙,舌質紅か絳,舌苔黄膩,脈濡滑数。
病機:湿濁蘊熱が,営分に波及し,醸痰成毒となり,心包を蒙蔽する。辨証の鍵は湿濁が重く,熱が軽いこと。確診病例の重症危重な患者に多い。
治法:清化湿熱,豁痰開竅。
方剤:菖蒲鬱金湯加減、蘇合香丸

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COVID-19中医方案より9

4.湿濁化熱,肺胃同病証
辨証要点:発熱して或いは高熱,胸痛脘痞,咳嗽咯痰,或いは痰少く色黄,口渇,倦怠無力,咽喉紅腫,小便黄,舌紅或いは暗紅,脈濡滑数。
病機:湿濁鬱久して化熱,湿熱阻肺,陽明熱盛,湿熱の病い重く,肺胃の同病である。確診病例か医学観察期較が長びき陽から熱へと転化した重症患者に多い。
治法:祛湿化濁,清熱解毒。
方剤:甘露消毒丹,白虎加蒼朮湯

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