治験

伝染性軟疣

 病位と脈象から病因を推察する
 馮××,男,成。
上肢、躯干、頚項に大量の贅疣ができて2ヶ月以上になる。
医診では伝染性軟疣と。

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重症筋無力

 賈某某,女,12歳,学生。
 患者は1969年6月に外感を受け,双眼瞼が発皺、下垂となり,午后が重く,また復視を伴った。

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帯状疱疹

病位を見て所主を知り,脈象を察して病性を知る
牛××,男,40歳。
右脇が疼痛して忍び難い,疱疹が出てから4日になる。
医診では帯状疱疹である。
先ず西薬を用いて治療すること3日になるが症状は変わらない,継いで中薬の清熱解毒剤を配用して1日経つが効いていない。
其の証を細審すれば,右側胸脇部に疱疹があり,肋間に沿って分布しており,疼痛忍び難し,舌苔白,脈弦滑。
脈証を綜合して思うに:胸脇は,肝肺が主る所位である;脈弦滑は,痰火の鬱結である。
治には宣肺理肝,解毒化痰するが宜しい。
処方:(柴胡・枳実・桔梗・赤芍・橘葉・青皮・連翹3 瓜蒌5 夏枯草10)36
同時に加用:耳針圧痛点、外関,浅刺,留針2小時。
服薬2剤にして,次の日には諸証が全て消えた。
某医が問う:昼夜兼進すること2剤にして疹退き痛みが消えたが,どうか其の理を明示してほしい。
答えて曰く:経験から云えば但だ解毒するだけでは疹が退いても多くは疼痛が残留する,何故なら:一に化痰していないし,二に活血していないから,いま疹と痛みが倶に消えたのは,恐らくは方中に化痰、活血の薬が共に在ったからであろう。

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早漏は腎虚に非ず

 李某,男性,33歳。結婚して3年になるが未だ子が出来ないと,夫人と偕に来診した,仔細に詢ねると,夫人は結婚后に一度自然流産している,だから妻の方は本もと受孕できるのだ。
近ごろは又精液検査をしたら,精子の活力が稍低く,且つ常に早泄で,性交はいつも不成功である。
此れは桂枝加竜骨牡蛎湯の証である。
 処方:生竜牡各30(先煎),桂枝20,白芍20,大棗20,炙甘草15,生姜10。
連服すること3周の后に電話で喜報が来て,其の妻が受孕したと。
 按:この頃の世俗では,生殖系統の病証に逢うと,必ず腎虚精虧だと曰う,恐らくは過度の中医理論の宣伝や、一知半解の中医理論と関係がある。
毎度のことに病者が来ると,必ず問うのは:“我は何体質か?我は肝虚か?血虚か?腎虚か?”
医者も又 臓腑学説を一面しか理解していない。
《内経》に因れば“五臓は,精気を蔵して瀉せず”、“腎は精を蔵す”とあり,五臓の病の多くは虚から立論されるものと,深く人心に入っている。
社会で宣伝されている飲食療法はみな,某物は補肝する,某物は補腎するといい,通俗的で分かり易くしてある。
仲景の効方に致っては,誰も重視しない。
不孕不育には填精補骨に限る,此れ以外には良法は無いと。
病者は補腎の説を聴いて,さも合理ならんと,喜ぶ。
若しも桂枝加竜牡湯を処方したら,患者の多くは反って疑惑を感ずるだろう。
 《金匱要略·血痺虚労病脈証并治》:“失精家は,少腹が弦急し,陰頭が寒く,目眩み,髪落ち,脈が極めて虚芤遅なるを,清穀(下痢),亡血失精と為す,脈が芤動微緊を得れば,男子は失精し,女子は夢に交わる,桂枝加竜骨牡蛎湯が之を主る”。
此の条の原文を読んで,“男子失精,女子夢交”の一語を味読しなければならない。
失精を病理と理解してはならない。
失精と夢交とは対語であり,症状を云って病理を云うのではない。
誤解すると,必ずや補腎という決まり文句に陥り,ただ機械的に補腎益精の方を套用する。
病者は“腎虧”の一語を受けて困り果て,惶惶として日を送る。
其の実は遺精、滑精、早泄はみな失精の類で,ただの症状名に過ぎない。
多くの責は心に在るのであり,腎に在るのではない。(※)
姜佐景曰く:“本湯が遺精を治すとは,医者なら誰でも知っている。だが知っているだけで,用いるのは,いつも腎気丸の一方ばかりである,まあ加えるにしても補益の品ばかりで,続断、杜仲、女貞子、菟絲子、核桃肉の類などである”。
 また廉江の梁某は,黄師の友人であり,其の子は年三十で妻を娶ったが未だ嗣子がいない,性格は内向で,其の母が電話で曰く,子には近来常に滑精があるようだ,三四日に一回か,甚しければ一日に二回も,それが已に一月余りになる。
往診するのが羞しいので,電話で処方を求めてきた。
そこで此の処方に覆盆子、菟絲子を加えて,7剤出した。
黄師が再び梁某に電話をしたら,答えて謂うには服薬后,七日経つが未だ滑精はしていないと。
※『中医治法與方剤』(陳潮祖)には桂枝加竜骨牡蛎湯の病機を「陰陽両虚,疏泄太過」としている。
疏泄といえば肝経の機能だが、大脳皮膜説による心包とも関係が深い。

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葛根湯の誤案 --“利之弊”

 康某は,黄師(黄仕沛)の姐さんで,吾々は“師姑媽”と称している,年は70を越え,なお経方の研究を止めていない。
糖尿病、頚椎病、骨質疏松、老年退行性骨関節の病史がある。
今年3月から,毎夜のように単側の小腿~足址部位に発作性攣急疼痛が出現する,夜間が甚しく,毎夜発作が1、2度あり,毎回3~5分間持続する,痛みは甚しくて眠れない。

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少火は気を生ず

李翰卿という1892年生れで山西省霊丘県上沙坡村出身の中医師が居られます。
既に45年前に享年80歳で亡くなっておられますが、大変な名医だったようです。
1970年に宮外孕(子宮外妊娠)を中西医結合の非手術療法で治療したことで学会を驚かせたそうです。
晩年には山西省総工会職工医院、太原市工人療養院第二医院、山西省中医研究所任医務主任、副院長、所長を歴任されています。
この先生については現在、facebook 漢方/中医学 において「李翰卿語録220則」を逐次にアップしているところです。
『李翰卿医学全集』の中の「心力衰竭」という一節に、「心衰に陽虚多し、補陽には小剤を」の見出しがついています。
これが大変参考になるので紹介させていただきます。
 心力衰竭といえば,総方面から見ると心腎陽虚証であり,ゆえに真武湯加人参、杏仁を常用とする。
また本証は正虚邪実証である。
補陽すれば陰が支え切れず,補陰すれば陽が敗れる,だから用薬は僅かなミスでもあると病情を悪化させます。
 例如:患者和某,女,35歳,風湿性心臓病で,二尖辦の狭窄があり,咳血を20年も反復している。
2年前に某院にて手術后に全心衰竭が現われ,今に至るも改善されず,反って日々次第に重くなっている。
全身の浮腫に,尿少,呼吸困難,心悸心煩,平臥できない。
そこで改めて某医に請うて中薬治療をした。
医師は口渇身熱,心悸心煩,気短と喘,平臥できない,脈数にして結代(促代脈)を見て,心陰虧損と診た。
 処方:人参・麦冬・生地・黄連・五味子・石斛・甘草10 花粉・白芍15
并せてジゴキシン等の西薬を配合して服用させた。
服薬后,夜になって諸症は更に厳重さを加え,呼吸困難,神色慌張,死にそうな状態になった。
李老を迎えて診視してもらったところ,李老云く:患者には高度の水腫があり,心悸気短,これは心腎陽虚、水気上逆して凌犯心肺の象で,危証であるから,急ぎ真武湯加減で治すべし。
 処方:附子・人参・杏仁1 白芍・白朮・茯苓1.5
次の日の朝,浮腫は減軽し,尿量が増え,呼吸困難は明らかに改善した。
此の時李老は公務で繁忙だったので,筆者が代診したが,患者の家属は云く: “此の処方の量は小さくて効力が少ないのではないか,病情が深重だから,分量を増やせないのか?”
前医もたまたま其の側に居て,云く:“兵微にして将寡(すくな)し、豈に能く大敵を制せんや。”
余はそれを聴いて頗る道理だと感じて,すぐに原方を1O倍量にした。
次の日,家属が来て邀しく云うには:“症状が劇しくなったから,すぐに往診してくれ。”
李老は症状を聞いて,云く:“此の患は陰陽大衰に,水腫という実邪を兼ねている,正虚に邪実だから,陽を補えば忽ち陰が大傷し,煩躁が倍加する,陰を補えば忽ち陽気が支え切れなくなり,浮腫短気は更に甚しくなる。脈は一息に七回,且つ間歇しており,陰不恋陽だから,陽気が敗れてしまう,熱盛の実証でもなく,また陰虚有熱の虚証でもない,故に小剤を用いるしかないのだ。君は知らないのか《内経》に「少火は気を生じ,壮火は気を食らう」とあるのを! 此の病の用薬量は一歩間違えると,命に関わるのだ。”
余は其の意に従い,再び原方の原量とした。
1月の后,患者の呼吸困難は大いに改善し,浮腫は消失し,戸外活動まで出来るようになった。

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メニエール病と漢方

現代医学では「内リンパ水腫(内耳のリンパが増え、水ぶくれの状態)」が原因ではないかと云っている。
中国では「内耳淋巴積水と迷路水腫の所致」と表現している。
では積水、水腫はどうして生ずるのか?その原因は今なお未明である。

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扶正祛邪法による治癌

中医では疾病発生の認識は,すべて“邪の湊(あつまる)所,其の気必ず虚す”、“正気が内に存せば,邪は干(おかす)べからず”という基本理論で云い得ます,扶正祛邪の治法もこの基本的観点に立脚します。

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イボを揉みつぶせ!

扁平疣(イボ)や絲状疣はお灸で焼いたり、ハトムギの煎汁を飲んだり、潰した大蒜(にんにく)や、いちぢくの乳汁やスピール膏などの腐食性のものを外擦すれば比較的容易に治るものだが、尋常疣は簡単ではない。
私の左肘には色の黒い 7mm 大の尋常疣があって、それが痒くなるのに困っていた。

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臓躁と あくび

先日のこと、珍しい症状の相談を受けました。
普段は元気な中年の婦人ですが、一年半前からの症状。
月に2回ほど、生あくび、前頭痛、首から上が固くなる、やる気はあるのに何もしたくなくなる、特に計算が出来なくなる。

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