優良処方データーベース

慢性萎縮性胃炎2

前回報告した慢性萎縮性胃炎への追補です。
姚奇蔚(1916—2003)は江西南昌の人で,世襲の中医でした。
著作には《脾胃疾病常用治法和方薬》、《用薬十八法》、《中医治療学概要》等があります。
学術論文には《舒肺達肝法》や《慢性萎縮性胃炎は肝、肺と密切な関系がある》等の20余篇があります。
先生は特に肝・肺両臓の生克制化の理を重視しました。
“人の生は,気による;ゆえに治病の方法は,気を主としなければならない”との思想から,治病時には尤も肝肺の気機の宣降条達を重視しました。

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升陥湯

《医学衷中参西録》(黄芪20 知母10 柴胡・桔梗5 升麻3)
気分が虚極下陥すれば,人参、山萸肉を加えて肺気の耗散を収斂して,升ったものが再び陥ちないようにするのが佳い。
若し大気下陥が甚しく,少腹が下墜したり,疼痛すれば,升麻は5gか2倍の6gにするのが宜しい。

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升陥湯―眩暈

張某,女,34歳。1991年9月3日
メニエール病といわれ,眩暈のため立っていられない。
これまでに服用した薬物の多くは平肝潜陽,化痰息風のものだった。
病者は双眉を緊蹙して,床上に臥しており,面色は黯淡無華,脈は沈にして骨に至る。寸関尺皆然り,稍や遅像あり。舌苔は白滑。

病機:此れは肝気不升の症である。肝気不升のため,大気は下陥し,気血が潜沈したままである。
頭は諸陽の会なのに,気血が下に潜行したままでは,頭部の高巓は栄養できない。
診断:眩暈(肝気不升、気血下沈、脳髄失養)

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升陥湯―か細い声

張錫純の升陥湯《医学衷中参西録》は胸中の大気下陥、気短不足(息切れ)を治す。
升陥湯原方(生黄芪12 知母6 柴胡・桔梗3 升麻2)
気分の虚がひどければ,酌加人参3 ; or 再加山萸肉3。

升陥湯は黄芪が主であるが,黄芪は善く補気・升気するが,やや熱性である。故に知母の凉潤で之を済タスける。
柴胡は少陽の薬で,能く大気の陥ちた者を左から引き上げる。
升麻は陽明の薬で,能く大気の陥ちた者を右から引き上げる。
桔梗は薬中の舟楫で,能く諸薬の力を載せて胸中へ上達する。故に向導の役である。

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湿疹-丹参銀翹飲

掻痒の程度が,昼軽く夜重いのは陰血不足,血燥生風の証である。
治則:養血活血 清熱解毒
丹参銀翹飲(丹参15 当帰・生地・白芍・川芎・銀花・連翹10 薄荷3)

本方は陰虚血燥によって生じた風を,養血潤燥して祛風するものである。故に方中の祛風剤は薄荷一味のみである。若し気分の風薬を過用すれば,必ずや血中の燥熱は更に甚しくなり、それがまた風を生ずる。風を治すには先ず血を治すべし,血が行れば風は自ずから滅する。
朱进忠先生的经验方-------丹参银翘饮 より

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蘇軾と聖散子方

東洋学術出版社の「仝小林院士 特別講座 COVID-19 の中医の認識と治療」2020.4.3 で、430人の新型コロナ軽症患者のうち1例も重症例を出さなかったという寒湿疫方(武漢抗疫方)誕生の由来が次のように述べられています。

1079年から1084年の間,当時,⻩州(⻩岡市)に流謫された蘇東坡は寒湿の疫に遭遇しました。その時,彼は,友人から「聖散子方」という処方を手に入れました。この処方は,表裏両感・衛陽鬱閉・高熱無汗・食欲不振,あるいは時疫の感受,神昏癲狂,病状が重篤な者を治療するためのものです。
中医薬管理局の医療チームは、この疾患(新型コロナ)の核となる病機は寒湿疫だと捉え,宣肺化湿の方法を用いて,当時(聖散子方を基にした)「武漢抗疫方」と呼んだ処方を創製しました。

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新型コロナの中薬三方

我が国へ伝聞するのでは、新冠肺炎に対する中葯処方で中国で成果を上げた事で最も有名なのは「清肺排毒方」でしょう。しかし中国では他にも沢山の処方が使用されました。なかでも「三方三薬」が有名です。三薬とは,連花清瘟胶囊・金花清感顆粒・血必浄注射液のことです。三薬とは次の三処方のことです。
三処方は各々別の地区で生まれ、使われました。だからその組成内容もかなり違います。わが国ではどれが使用できそうか並べてみました。

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新型コロナの漢方予防薬

中医の所説では“邪の湊アツマル所,其の気必ず虚す”といい、外邪が集まってくれば人体の正気(抵抗力)は必ず不足するものなのです。
中国で発布された方案を紹介します。

《湖北省新型冠状病毒感染的肺炎診療方案(試行第一版)》発布,其中公布新冠病毒的中医預防方案:

防新型冠状病毒感染的肺炎一号方
蒼朮3 金銀花5 陳皮3 芦根・桑葉2 生黄芪10

防新型冠状病毒感染的肺炎二号方
生黄芪・炒白朮・防風10 貫衆6 金銀花・佩蘭10 陳皮6

中国工程院院士、国医大师王琦开出预防新型冠状病毒感染的肺炎中药方 より
※わが国でも漢方薬局を通じてこの処方が出せるように出来ないものか。

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新型コロナの自宅治療

新型コロナにかかっているか罹っていないかは判らないけれど、なんだか咽が痛いとか、怠ダルくてしょうがないとかあって、医学観察期ではないかとの疑いがある人は自宅療養をするでしょう。そんな時はどうしていますか?売薬やドラッグストアで何か薬を探したりするのではありませんか?
ちょっと咽が痛いから用心のためにという人には銀翹散(ぎんぎょうさん)という漢方薬を薦めます。これには温病初起の「上気道の風熱」を解消する作用があります。
ただ何となく怠いだけで、若しかしたらコロナかな?と思ったら藿香正気散(かっこうしょうきさん)という漢方薬を薦めます。これは夏カゼや二日酔いの急性胃腸炎や消化器系の風邪薬にも使えます。
てんてこ舞いをしている病院へ行って長い間待たされるよりも、自宅治療を一度試してみて下さい。薬局やドラッグストアで探せばあるでしょう。
また実際に新型コロナに感染してしまった人でも、潜伏期や初期ならこの二つの薬を合わせて飲めば食い止めることが出来ます。きっと試しても損はしないでしょう。

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春季の風熱感冒

風熱表証 風は陽邪で,其の性は開泄であり,升散して上に向い,衛表を侵襲し易い。
症状は頭暈頭痛,汗が出て悪風し,周身酸楚し,鼻塞流涕がある。
病邪は衛表に在り,手の太陰に属するので,辛凉解表,疏風透熱すべし。

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