古典

妊娠悪阻と桂枝湯

《金匱要略》には妊娠嘔吐に桂枝湯と乾姜人参半夏丸が挙げられています。
桂枝湯といえば営衛不和に対する方剤ですが、何故つわりに効くのか?

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なぜ芍薬を去るか?

『傷寒論』に「(21) 太陽病,下之後,脈促胸満者,桂枝去芍薬湯主之。」という条文があります。
私が漢方に興味を持ち始めた頃、この「去芍薬」に何故?と引っかかりました。

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大黄の四態

大黄には「生大黄」と「酒製大黄」があり、「酒製」にも「酒浸」「酒洗」「酒炒」の三種類がある。
「酒炒」のみは加熱乾燥され、他は自然乾燥される。
「酒浸」「酒洗」の二者は酒に浸すか酒を振りかけるかの差で余り変わないので同じ扱いでいいと思われる。(調胃承気湯、大承気湯に用)
「酒炒」は瀉下作用が最も緩和されている。「善上焦血分熱解」(中華人民共和国薬典2005)。
「生大黄」(小承気湯に用)
酒製の程度により薬効はそれぞれに分かれる。
「酒炒三達巓頂,酒洗中至胃脘,生用下行」(薬性歌)
※巓頂とは上焦のこと。

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桂枝加大黄湯の新解釈

裴 永清 著『傷寒論の読み方50』の中に桂枝加大黄湯(桂枝加芍薬大黄湯)の解説があり、その大黄の使い方には深い意味があると指摘しています。

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赤小豆の副作用

中国のことわざ:薬に三分の毒あり!
どんな薬にも副作用があります,赤小豆もまた例外ではありません。
赤小豆には減肥作用があるけれど,あまり長く食べ続けると色を黒くし痩せて乾燥させる,甚だしい時には消化吸収能を悪くする。

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赤小豆 方剤制剤

1.赤小豆湯(《聖済総録》) :本品、桑根白皮、紫蘇茎葉。
 本方は脚気気喘,大小便渋,全身の腫れや両脚の気脹から,水に変成した者に用いられる。
2.麻黄連翹赤小豆湯(《傷寒論》) :麻黄、連翹、本品、杏仁、大棗、生梓白皮、生姜、甘草。
 本方は傷寒の瘀熱が裏に在りて,身黄となりたる者に用いられる。”
3.赤小豆散(《聖恵方》) :本品、丁香、黍米、瓜蒂、熏陸香、青布、麝香。
 本方は急黄で身が金色の如き者に用いられる。
4.赤豆薏苡湯(《瘍科捷径》) :本品、薏苡仁、防己、甘草。
 本方は湿熱気滞瘀凝による大小腸癰に用いられる。
5.消疹湯(《本草綱目》):本品、荊芥穂。
 本方は風瘙瘾疹(蕁麻疹)に用いられる。
6.治消散(《備急千金要方》) :本品、人参、甘草、瞿麦、当帰、猪苓、黄芩、白蔹、黄芪、薏苡仁、防風、升麻。
 本方は癰疽瘡毒に用いられる。
7.赤小豆当帰散(《金匱要略》) :本品、当帰。
 本方は湿熱蘊毒が,腸中に積もり,癰膿を形成するのに用いられる。症状は肌表に微熱があり,微煩,欲臥,汗出,目の四眦は黒く,食は進み,脈数である。亦 大便下血,先血后便を治す。
8.赤小豆散(《証治凖縄·瘍医》:本品、薏苡仁、甘草。
 本方は胃痛の初起で,中脘が隠痛微腫し,寒熱が瘧の如く,身皮が甲錯し,咳嗽しないが,膿血を咯吐し,脈が洪数の者に用いられる。
9.赤苓散(《干金翼方》) :本品、茯苓、玉竹、雄黄、甜瓜蒂、炙甘草。
 本方は黒疸で,皮膚、大便ともに黒き者に用いられる。
10.鉄箍散(《北京中成薬規範》 北京市薬品標凖 1980年) :芙蓉葉、生川烏、生草烏、生半夏、白及、赤小豆、五倍子。剤型:散剤,毎袋1g,用法:外用,蜂蜜適量,患処に調敷する。
 功効は清熱解毒,消腫止痛で,主治は各種の癰腫瘡疖の早期で,紅腫して堅硬で瘀痛があるもの,また未潰の乳瘡で,焮熱瘀痛するものに,若し已に膿と成っておれば其れを破潰する。
   赤小豆是什麼 より
※瘀熱や瘀痛に関与することが多く、癌から癰疽瘡毒まで用途は広い。

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赤小豆の配伍応用

1.赤茯苓を配すると,下焦の湿毒を清利する力が大きくなる。
 湿熱蘊結による小便不利,尿血,下肢浮腫,瀉痢などに用いられる。
2.当帰を配すると,滲湿清熱,活血行瘀となり,熱は去り湿が除かれて出血が止まる。
 湿熱による便血,腹痛,尿血に用いられる。
3.連翹を配すると,赤小豆は清熱利水,散血消腫し,連翹は心経の客熱を瀉し,上焦の諸熱を去り,解毒散結の効も有る,故に連翹は“瘡家の聖薬”と称される。
 合用すれば心経の火を解し,湿熱を利し解毒するので,湿熱内蘊の黄疸,湿熱下注の淋症,婦科盆腔炎の急性発作と産后の高熱を治すのに用いられる。
4.白茅根を配すると,利水消腫を増強し,一定の凉血通淋の功もある。
 水腫、脚気の浮腫、小便不利、淋閉尿血等の証に用いられる。
5.瓜蒂を配すると,その酸苦には涌泄作用があり,催吐作用が捷(はや)くなる。
 又 赤小豆を得れば その中を護り胃気を保つ作用により,快(はや)く吐かせても正気を傷つけない。
 痰涎が胸中に壅塞し,宿食が上脘に停滞していると瀉利させても効果が無い、そういう時に用いられる。
6.鯉魚を配すると,《食療本草》には:“鯉魚と爛煮して食せば,脚気や大腹水腫を治す。”
7.鶏子白(卵白)を配すると《薬性論》には:“粉末にして鶏子白と練って熱毒癰腫に塗る。”
8.麻黄を配すると,二薬は共に利水だが,赤小豆は清熱利湿による消腫で,また解毒作用もある,麻黄は肺気を宣暢して膀胱に下達して利水をする,合わせて宣肺利湿,清熱の功効となる。
9.商陸を配すると,赤小豆は清熱利水で,商陸は水湿の排泄である,合わせて逐水除脹の作用となり,水腫脹満の症に常用される。
   赤小豆是什麼 より
※たかが赤小豆といえど個性的な生薬じゃないの。

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赤小豆の功効と作用

【性味】
味甘;酸;性微寒。
【帰経】
心、小腸経に帰す。
【功効主治】
利水消腫退黄;清熱解毒消癰。
主治は 水腫;脚気;黄疸;淋病;便血;腫毒瘡瘍;癬疹。
作用は 利水消腫,解毒排膿。
用途は 水腫脹満,脚気肢腫,黄疸尿赤,風湿熱痺,癰腫瘡毒,腸癰腹痛。
《本経》:下水を主り,癰腫の膿血を排す。
《綱目》:温疫を辟け,産難を治し,胞衣を下し,乳汁を通ず。
《別録》:主寒熱,熱中,消渇,止泄,利小便,吐逆,卒澼(泄痢を止める),下脹満。
《日華子本草》:赤豆粉,治煩,解熱毒,排膿,補血脈。
《本草再新》:清熱和血,利水通経,寛腸理気。
《薬性論》:熱毒癰腫を消し,悪血、不尽、煩満を散ずる。水腫で皮肌脹満するのを治す;搗いて癰腫の上に薄く塗る;小児の急黄、爛瘡を主り,汁を取りて洗う;食べ物を美味しくする;末を卵白と合わせて熱毒癰腫に塗る;通気,健脾胃。
《食療本草》:鯉魚と煮て食せば,脚気及び大腹水腫を治す;散気,関節の煩熱を去り,心孔を開き,小便数を止める;緑赤なものでも,食べてよい。暴利の后に気満となり食べることが出来ない時,煮て頓服すると良い。
《蜀本草》:酒熱を病めば,汁を飲む。
《食性本草》;筋骨を堅くし,水気を療し,小麦の熱毒を解す。
1.利尿消腫
赤小豆は比較的多くのサポニンを含んでおり腸道を刺激するので,良好な利尿作用があり,体内の毒素と余分の水分を清除し,血液と水分の新陳代謝を促進し,利尿、水腫を消す作用がある。
赤豆はまた心臓性と腎臓性の水腫、肝硬化の腹水、脚気病の浮腫の治療と瘡毒症の外用にも用いられて,一定の効果がある。
赤豆を煮て湯を飲服すれば,腎臓、心臓、肝臓、営養不良、炎症等多種の原因によって引き起される水腫の治療に用いられる。
2.祛圧降脂
赤小豆には良好な降血圧、降血脂、血糖調節の作用があり,血圧は容易に制御され,并せて毛細管を拡張させて,血黏度を降低し,微循環を改善させる。
3.通乳生乳
気血を補い、生乳する作用があり,産婦に対しては乳汁を通し、身体を補い、康復を促す功効がある。
赤小豆は葉酸を豊富に含む食物で,産婦、乳母が紅小豆を多く食べれば催乳の功効がある。
4.解毒
身体内に長期にわたり淤積した毒素を清理し身体の健康を増進する。
5.抑癌抗瘤
癌細胞の生長、拡散を延緩させたり抑制したりして,癌細胞を退化、萎縮させる。
6.預防便秘
紅豆中には便秘を治療する繊維が多量含有されており,潤腸通便、降血圧、降血脂、血糖調節、解毒抗癌、預防結石、健美減肥などの作用がある。
7.健脾利胃
紅小豆を粥にして煮て食べれば,健脾胃、利水湿の作用がある。
凡そ脾虚不運、腹水脹満、小便不利、黄疸、瀉痢の者なら,皆食べたら良い。
8.人体の免疫功能を増強する
紅豆にはかなりの蛋白質、微元素が含まれており,免疫功能を増強するのに有利で,抗病能力を提高する。
9.骨質疏松を預防する
日本の研究者が,赤小豆の皮中に含まれる成分が,骨質疏松症を預防し症状を改善させる事を発見した。
骨質疏松症の発生は人体の破骨細胞の功能が成骨細胞を超過することにより,骨質が疏松となる。
赤小豆の皮に含まれている色素成分のポリフェノールがこの情況を改善する,研究員は,赤小豆を用いて調理した赤飯等から,ポリフェノールが速やかに摂取できる事を確認している。
   赤小豆是什麼 より
※あずき見直すべし!『傷寒論の読み方50』の麻黄連翹赤小豆湯の解説に触発されて。

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小柴胡湯方后の条文

小柴胡湯については今までに何度も取り上げた。しかし方后の加減の条文については省略してきた。この度は方后の条文から小柴胡湯の持つ意味を研究してみます。
名医論方 より

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宗気外泄

《素問・平人気象論》に「胃之大絡、名目虚裏、貫隔絡肺、出于左乳下、其動応衣、脈宗気也」という記載がある。
左乳下の心臓の鼓動が触れるところを“虚裏”と名付け、そこへは胃の大絡という胃から他の経に通ずる道が通っているので胃気や気血の流れが反映される重要なポイントです。
西洋医学では心拍の現れる所としか見ていませんが、東洋医学では単なる心拍ではなくて、そこには“宗気”という気の大本となる気の流れが表出していると考えます。
この虚裏の拍動が微かなら宗気が虚しており、反対に衣服が動くほどだと宗気外泄で、大事な“宗気”が外へ漏れていると見なします。
『李可老中医急危重症疑難病』の症例にも「心動震衣,宗気外泄」という表現で危急状態にあることを示しています。
胃気は宗気の一部です、宗気外泄が過ぎると胃気も衰えます。
葉天士の《臨証指南医案・不食》には次のように云っています。
胃気有れば生き,胃気無ければ死す,此れは百病の大綱なり。故に諸病で若し食欲があれば,病勢が重くても救える;食欲が無ければ,病勢が軽くても必ず長引き悪化する。”
宗気や胃気が如何に重要か、それを虚裏から伺うのが東洋医学なのです。
こんな深い意味を読み取る人は「東洋医学は哲学だ」というのですね。

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