古典

周易と子午流注

(『周易と中医学』p186)
子午流注は針灸の時間医学療法の中の古典的な針法である。その特色は十二経脈の経気の盛衰開合の時機により取穴することにある。その方法として天干地支を用いて推算を行なう。
子午流注の原理は、人体の十二経の気血の盛衰変化が昼夜の陰陽二気の消長変化の法則に従うところにある。
すなわち、夜半は子時であり.子は至陰、陰が極まり一陽が生じ、子時には気が昇る。早朝は卯時で、陰は次第に減り、陽が増す。日中は午時、午時は至陽、陽が極まり一陰が生じ、午時には気が降りる。夕方は酉時、陽が減り陰が増す。陰陽の消長盛衰の変化は『周易』の精髄である。

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周易と気功

(『周易と中医学』p165)
『周易』は人と天地盈虚の関係を重視する。緊辞伝に「法象は天地より大なるは莫ナく、変通は四時より大なるは莫ナし」、また剥卦の象伝に「君子の消息盈虚を尚ぶは天の行なればなり」と記し、後世の気功の時に応じるという理論の源泉となった。
『霊枢』五十営篇では、人体の気が二十八脈※をめぐることと、太陽が二十八宿(図)をめぐることが対応するという事実を通して、人体というミクロコスモスの気血の運行がマクロコスモスの太陽の運行と符合すると述べる。すなわち、一つの生物体は孤立して存在するのではなく、日月天体の運行と密接に関連するとし、気功バイオリズムの理論的基礎となった。中国の気功学派は『周易』の「盈虚消息」と『内経』の天地人相応の考え方の影響を受けて、各種の功法と時間方位の関係を重視した。

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周易と運気学説

(『周易と中医学』p153)
運気学説は『内経』の運気七篇大論、すなわちり『素問』の第六十六篇以下にあり、自然界の気候変化やその生物や病気に与える影響を研究するものである。そこには天文学・気象学・物候学・暦法・術数など多くの学問の内容が含まれる。
五運六気の甲子周期表は天干地支の排列により作られる。天干は六周、地支は五周する。『素問』天元紀大論篇は「天は六を以て節を為し、地は五を以て節を為す」という。「易経」は六十四卦で万象を網羅し『内経』の運気は甲子表で六十年の気象を区別する

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周易と中医学17

(『周易と中医学』p148)
『周易』と弁証論治
(1)易理と弁証
中医臓腑弁証では、疾病の定性・定位は症状の陰陽の偏りによって決まる。例えば心気虚・心陽虚・心陽欲脱は心陽が足りない点で共通するが、陽虚の程度が異なるため異なる段階的病理を呈する。弁証論治が異なる段階的病理、すなわち「証」の異いにより治療を行なうところに、中医論治の優越性が示される。
また中医弁証において陰陽の量を判定することが、疾病の性質を判断する上で、決定的な意義を持つ。これは『周易』の八卦が陰陽の爻の数により、卦の陰陽の性質を決定するのと同じである。

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周易と中医学16

(『周易と中医学』p144)
『周易』と脈象
中医の脈象と『周易』の卦象には相通ずる点が多い。浮中沈の三候では沈から浮までの脈勢の変化は『周易』の卦爻の陰陽盛衰の変化に一致する。
浮・数・有力は陽に属すので陽爻(一)、沈・遅・無力は陰に属すので陰爻(——)とする。こうして下から上へと三爻をならべ卦を作り、次にその卦象により疾病の部位・性質を分析する。

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周易と中医学15

(『周易と中医学』p141)
『周易』と交感理論
『周易』は陰陽相交・水火既済をきわめで重視する。例えば、既済卦☵/☲は水火相済、未済卦☲/☵は離坎未交、泰卦☷/☰は陰陽相交、否卦☰/☷は陰陽不交を表す。
『周易』の交感理論は中医学の心腎相交理論の淵源であり、心腎相交は五臓相関理論の重要な部分である。

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周易と中医学14

(『周易と中医学』p127)
『周易』と平衡観
例えば、既済卦☵/☲の水火互制、泰☷/☰・否卦☰/☷の乾坤交感などは制約的平衡の萌芽である。
自然界に自己調整機能があるように、生物にもその機能は備わり、人体の自己調整能力は驚くべきほどである。
人体の平衡状態の保持は臓腑の相関理論、臓象理論、気機の昇降出入、臓気間の生・克・乗・侮の関係、さらに、経絡間の気血量の調節を通じて実現される。※

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周易と中医学13

(『周易と中医学』p124)
『周易』と五行学説
五行の記載は『尚書』洪範に初めてみえる。
『周易』では五行の主要元素一一水・火などの萌芽がみられるだけだが、『尚書』洪範は「一に曰く水、二に曰く火、三に曰く木、四に曰く金、五に曰く土。水は曰ココに潤下し、火は曰に炎上し、木は曰に曲直し、金は曰に従革し、土は爰ココに稼穡(種まきと収穫)す。潤下は鹹を作し、炎上は苦を作し、曲直は酸を作し、従革は辛を作し、稼穡は甘を作す」と記述し、この五行の記載は十全である。

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周易と中医学12

(『周易と中医学』p122)
『周易』の弁証法思想と『内経』
(1)変化・運動・発展
『素問』六徴旨大論篇はさらに、「昇降相因りて変を作す」「気の昇降は天地の更用なり」「出入が廃れれば神機は壊滅し、昇降が息ヤめば気は危くなる。そこで出入がなければ、生長壮老已は無く、昇降がなければ、生長化収蔵は無い。こうして昇降出入は、形体が無ければ存在しない。形体は生化の宇イエであり、形体が散じ、分解したら生化はやむ。そこで、形体のあるもので、出入しないものは無く、昇降しないものは無い」と述べる。この理論は中医気機昇降学説の核心である。

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周易と中医学11

(『周易と中医学』p118)
『周易』の宇宙物質観と『内経』
神学の盛んな殷周王朝にあって、「易経」が「乾、元」「坤、元」の唯物観点を持ち出したことは、特記に値する。最も早い時期の素朴な物質意識の芽ばえは、「易経」の八卦であり、八卦は天地風雷水火山沢の八種の物質のシンボルである。

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