漢方メール相談

全身の痛み、こわ張り、痛覚過敏

中年男性。
3年前 歩いていてぎっくり股関節のようなものをおこしてしまい、右の臀部痛と足先の痺れが出たのがきっかけで、今は腋の下と周辺、ソケイ部と太股内側、臀部痛(一昨年に梨状筋の切除手術をした)が強い。

これは漢方では“熱痺”、“脉痺”、“皮痺”、“腰尻痛”などと呼ばれており、湿熱痺の証です。
湿邪と熱邪が肢体・関節・筋肉・経脉に相合着して局部に気血の閉塞不通の証候を造成する。

> 体をこすったり、かいたりするだけで唇が灼熱感というか痺れるような感じになります。
> 体が痒くなりやすい、耳の閉塞感、右足先の痺れ感、筋肉のぴくつき等

多くは人体の陽気が偏盛で、内に蘊熱を有するものが風寒湿邪を感受した后に鬱熱化したことに因って起こる。
主要な症状は、関節や筋肉局部の紅腫・疼痛・重着(しびれ)で、触れると熱感がある。
また肢体の経脉の走行方向に沿って掣痛や脹痛や灼痛が起こる。

おすすめの漢方処方
A: 二妙丸+宣痺湯・・・・・・・・・・(煎じ薬)

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にきびの相談例

2005/07/21
47歳 女 やせ型
もっとも治して欲しい事: にきび、吹き出物
30代頃から良くなったり悪くなったりの繰り返しでした。
今年も生理前~生理が終わるまでがひどく、生理が終わって落ち着いてきたかとおもっていると、1週間もするとまたでき始めます。

吹き出物のできる場所: ほとんど顎、口の周辺
大きさ: 小さい白にきびもできますが、たちの悪い大きく痛い赤黒い感じのものがよくできます。
触ると奥の方が、痛い感じがあり、だんだん盛り上がって赤みと痛みが増してきて先端が膿んできます。
頬やおでこは、たまにできますがポツっとできる程度ですぐ治ります。
首、体は全然できません。
顎のあたりは吹き出物の跡と、できているものとでくすんでいる感じです。

今まで飲んだ事のある漢方薬:
 加味逍遥散+ヨクイニン 1ヶ月変化なし
 桂枝茯苓丸+加味逍遥散+ヨクイニン 1ヶ月 少し良いのかな程度
 防風通聖散+桂枝茯苓丸+ヨクイニン 2週間前~ やはり生理前にぼつぼつ出てくる。

その他の状況: 食欲は普通、少食、さっぱり好み、油っぽいものはもたれやすい
全身: 神経質 気がふさぐ 怒りっぽい 汗をかきにくい
顔面: 普通 目がかすむ 鼻水(花粉症)
口・唇・舌: 唇の色が紫色 舌苔が厚い(黄色) 口が乾く
腹部: 胃のまわりが痛い(おさえると)
大便 小便 陰部: 便秘 頻尿
婦人: 月経量が少なくなってきた 月経痛は昔からあまりなし

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持薬と風邪薬を一緒に飲んでもいいか?

ある方からの相談です。

> いま風邪を引いていますが、普段飲んでいる持薬と併せて風邪薬を飲んでもいいでしょうか?

慢性病の時の体調と急性病の時の体調は全然違います。
慢性病は症状が緩やかに出ているので日常生活にさほど支障はきたしませんが、急性病では症状が激しくて日常生活は中断されます。
それ程に急性病の体への負担は大きいのです。
慢性病はそのままにしておいてでも、風邪を先に治さなければなりません。

実際に急性病の時の状態では、いくら慢性病の持薬を飲んでもそれは効かないでしょう。
方証相対といって、処方と証が合っていなければ薬効は現れません。
一時 持薬を飲むのを中断して、急性病の薬で風邪などを治してから又 持薬の方へ戻ってください。

漢方では 「急なれば標を、緩なれば本を治す」 というのが原則です。
標とは危急の証候のことで、本とは長らく続いている証候のことです。

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肥満/月経が遅れたり来なかったり

女性、30歳。
一番目‥‥‥精神的によわく、悩みや嫌なことが起こると、だべてしまっています。
何とか痩せたいのですが、なかなかうまくいきません。

二番目‥‥‥これからの時期、すごく汗をかいてしまう事です。人前だとますます汗がひきません。

全身:だるい 、気がふさぐ、汗かき、不眠、朝起きれない
顔面:ふつう、時々頭痛
腹部:脇腹が痛い、腸が鳴る、
婦人:月経が遅れる、月経がこない

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返事: 肥満による月経の遅れ(月経後期)があることは 蒼附導痰丸 のところで書きました。


あなたの場合もそれに該当します。
ただし薬に依存するだけでは不十分です。
同時に自身の努力によって痩せることも考えてください。
肥るのは炭水化物が主な原因ですから和風の副食を増やして御飯を減らす事から始めてください。
三度の食事だけにして間食はしないように。

また「ためしてガッテン」の「ちょこまか動き」を参考にしてください。

脾湿生痰 (脾の消化機能が衰えると湿滞となり痰を生ずる) の証に該当します。
次のホームページを参照して下さい。

※ ホームページのメール相談例「肥満」の例が出ていますので参考にして下さい。
あなたのケースとメカニズムが似ています。

今月の医話” 肥満の相談も参照して下さい。


おすすめの漢方処方

(1) 蒼附導痰丸(そうぶどうたんがん)・・・・・・・・・・(煎じ薬)

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頭面 上半身の湿熱

中年の男性、のぼせ・耳鳴り・耳閉・耳垂れ・頭部 顔面 上半身に湿疹あり。
昨年8月から のぼせ・ほてりが酷くなり、気温の高い場所だと動悸やくらくらするような眩暈やシビレがする。
そして手足が冷たくなり手に異常に汗をかき口が異常に渇きます。
普通に暖房の効いてる場所などでも自分だけ暑くてたまらず気分が悪くなってしまう。
元々緊張するタイプです。

胸 脇: 動悸がする 胸やけがする 吐き気がある 酸っぱい水が上がる

小便: 切れが悪い 尿が濁る 尿が濃い

皮膚 頭皮 毛髪: かゆい 湿疹 フケ性

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> のぼせ・耳鳴り・耳閉・耳垂れ・頭部顔面上半身に湿疹あり。
> 普通に暖房の効いてる場所などでも自分だけ暑くてたまらず気分が悪くなってしまう。

肝経は耳を通るのでよく耳の病変と関係があります。

この経絡に湿熱が停滞すると (肝経は湿熱と親和性が強い) 中に水がたまって耳内圧が高くなり、詰まった感じがしたり耳痛にもなります。

> かゆい 湿疹 フケ性

湿熱が皮膚に止まると脂性になります。

> 元々緊張するタイプです。
> 手足が冷たくなり手に異常に汗をかき口が異常に渇きます。

肝気が流れず停滞し肝鬱の状態です。

> 動悸がする 胸やけがする 吐き気がある 酸っぱい水が上がる

その強い肝気が心や胃に圧力をかけています。

> 切れが悪い 尿が濁る 尿が濃い

肝経は下半身では陰器をまとい、湿熱により小便の出が悪くなります。

湿熱上壅 (湿熱が肝胆の両経絡に欝滞して頭面口舌眼を塞ぐ場合) の証に該当します。

50証チャート」の 32臓腑湿熱 および 38肝火 が該当します。

おすすめの漢方処方

(1) 四逆散+竜胆瀉肝湯

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抜け毛 慢性下痢

痩せ型の青年
仕事を始めてから抜け毛が増え、髪の毛のコシがなくなってきた。
髪の毛の色は赤みがかったようになった。
補中益気湯を服用しているが、下痢が続いている。
(飲んだ後に腹の調子が悪くなる気がする。)

安中散は胃痛がひどいときに服用している。
六君子湯は飲むと胃が痛くなったため、止めている。
十全大補湯も胃痛のため止めた。
1日を通して疲れやすく、朝なかなか起きれない。
また、日中に眠くなる。夜はなかなか寝付けない。

のどがすぐに乾き、冷たい飲み物を飲みたくなる。
痩せ型でどんなに食べても太れない。舌苔は白く、分厚い。

顔の皮膚は乾燥している。目の下に青紫のクマがある。

慢性的な下痢は中学校のときから始まり、昨年には胃潰瘍を患った。
胃痛はときどき起きる。
立ちくらみもよく起こるようになった。

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嗜眠または嗜睡

中肉の青年からのメール相談。
仕事中に著しく眠くなり集中ができない、実際に眠ってしまう。
眠くなるときには異様に暑さを感じ、ひどい時にはYシャツの襟元がぐっしょりと濡れます。
普段でも汗かきです。暑さを感じて汗が出始めると、身体が冷え切っているのに汗は出続け、次第に頭痛や風邪のような症状へと発展します。

その他、舌苔が厚い、胃から水が上がる、下痢。

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返事: 舌苔が厚い事から予想される一つに湿の存在があります。
自然界の風・火・暑・湿・燥・寒の「六気」の過多あるいは不足は人体の健康と密接な関係があります。
中医学ではこの異常な六気を「六淫」といって発病の原因と考えています。

不快な湿は長夏梅雨の季節に最もよく現れます。
人間も長い間、湿気の多い環境にさらされるとすっきりせず疲労や倦怠を感じるようになります。

脾胃とまとめて云いますが「胃は水穀の海」といい、水分や穀物を受納するところです。
一方、(すい臓)は水穀の運化を主るところです。
この脾の陽気が虚して健運が出来なくなると湿は生理的な“津液”に変化せず、病理的な“痰飲(水毒)”となります。(脾虚湿困証)

生冷の物を過食したり、湿寒の外気が侵入して脾胃を冷やせば消化機能が失調し、清濁は分れず、飲食は消化せず、大便は清稀になり水様便となり、腹痛腸鳴します。(寒湿内生)

このように湿の停滞が長く続くと、昇るはずの“清陽(清明の気)”が頭へ上がらないのでボーッとして「頭重つつむが如く」なります。(陽虚陰盛)

中医学では“身体沈重,倦怠嗜臥者,乃脾経有湿”と説明されています。(体が重くだるくて眠ってばかりいるのは脾経に湿があるのである)


汗っかきは体表の肌目(キメ)があらく汗腺がゆるいのです。
体表の汗腺の働きは肺の支配下にあり、肺気が弱いと汗が漏れやすくなります。
また肺気はその母である脾によって育てられます。
従って脾気が弱いと肺気も弱くなります。
脾肺はともに「気」に関する臓器で、これが弱いと全身的な「気虚」を呈します。
それでだるく、疲労感があるのです。

脾虚湿勝 (脾の消化機能が衰えると津液が停滞する/脾湿証) の証に該当します。

おすすめの漢方処方

(1) 太無神朮散(たいむしんじゅつさん)・・・・・・・・・・(煎じ薬)
 (陳皮・蒼朮・厚朴・甘草・霍香・石菖蒲・生姜・大棗)

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頭皮痛

メール相談で変わった例がありました。

「半年前から頭部(つむじ周辺とてっぺん)が徐々に痛み始めました。化膿部を押されているような皮膚下の浅い部分の痛みです。」

頭皮痛 (頭皮神経痛) は頭痛とも違い、頭皮表面の痛みです。
ネットで検索してもなかなか納得の説明にぶつかりません。中医でも大変少ないようで、僅かに次の様な解説がありました。

人体の気機は悩怒・緊張・失眠 等を誘因として肝気上逆になりやすい。
気が有余になれば火となる。(肝火)
経気逆乱による火は上へ昇り血に迫る。
毛髪は血余なり”といわれており、血に迫った火は疼痛となって毛髪に及ぶ。(肝火上亢)

上部の火は風を伴い「風火」となることが多い。(風火上犯)
それを追い払うのが (軽揚散火),黄岑・黄連・山梔子・天花粉・玄参・連翹 等である。(《医林縄墨・頭痛》)


また頭頂部は厥陰肝経の領域でもありますから、頭皮痛は「肝火上亢・風火上犯」の証と弁証されます。

加味逍遥散・竜胆瀉肝湯などを基本として、これに黄岑・黄連・山梔子・天花粉・玄参・連翹 等を加味すればいかがかと考える。

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おなら再考 (腸鳴)

何故おならが出るのか?
という問いかけに対して「おならは何故出るのか?」の記事で、「肺の気滞は咳嗽で、大腸の気滞はおなら」と答えたけれども、間違いだったようです。
なぜなら気滞ならば気がこもって出ないで腹が張る筈だからです。
気がおならになって出過ぎるのは気滞ではなく、「気の下行」「下気」です。

次はある若い方からのメールです。

私はお腹がすくと異常なくらいの音量でお腹が鳴ります。1回ならまだしも、20分くらいずっと鳴り続けています。
誰でもお腹が減るとお腹が鳴りますが、音量とその音がすごいんです。
「ぐー」ではなく「ぐぅわぁぁぁぁぁぁ」など気持ち悪い音なんです。
自分でも恥ずかしくて死にそうになります。

『中医症状鑑別診断学』には“腸鳴”の項目がありますが、ここで扱われているのはみな下痢などを伴う病的な場合だけです。
上の相談例のように健康な人の“腸鳴”については述べられていません。
ネットで検索していたところ《類証治裁》卷之七 および《雑病源流犀燭・腸鳴源流》に同じ内容の記載がありました。

いくつかの病的な腸鳴のあとに病的でないのが記載されています。
下気が暫らく止んで復(また)鳴るのには,益中湯。

益中湯 (人参・白朮・黄岑・黄連・干姜・枳殻・甘草)

益中湯の構成薬を見ると寒薬熱薬が入り混じっています。
これはもともと腸が冷えていて、そこへ熱性の食べ物を摂取した状態だと考えられます。
寒熱が入り混じって軽く調和を乱し、下気を起こしています。(腸不和)
メールを下さった若い方も 益中湯 を試してはどうかと思います。

もしこれがひどくなって胸の方へ上衝して痞を起こせば「上熱下寒」の半夏瀉心湯の証になります。

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生理前の頭痛/脇汗

(2005/06) メール相談1信
女 44歳 やせ型
出産後に体力がない。疲れると食がすすまなくなる。
おでこに常に出ている小さくてポロポロと出ているニキビ。赤みはない。
生理前の頭痛、生理中の食欲不振、生理後の頭痛。
太れない。
野菜をたくさん食べても、なにを食べてもコロコロした便しか出ません。
お友達とランチをして楽しく盛り上がっている時など脇に汗をたくさんかきます。

‥‥‥

返事: 食欲不振から脾胃の虚と考えやすいのですが、そうではなくて先に血虚があるため疲れやすく、それが脾胃の気虚を誘い出すのでしょう。
ニキビ・生理時の頭痛・便秘・月経不順など至る所に血虚がうかがえます。

おすすめの漢方処方
A:加味四物湯(当帰・熟地・白芍・川弓・麦門冬・蒼朮・杜仲・党参・知母・牛膝3 黄連・黄柏・五味子1.5)34.5
‥‥‥

経過: 生理前と生理後、生理中に軽い頭痛はありましたが以前のように頭痛が酷くて食欲までなくなったり眠くなるようなことはありませんでした。生理中は比較的楽に過ごせるようになった気がします。

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